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プールサイドの恋人
第5章 瀬川 恭平
「とても可愛かったよ。陽菜さん。」

我に帰ると自分の事が恥ずかしくなって

1分でも早く瀬川から離れたくなった。

ふと瀬川が話し出す。

「昔、車の中でエッチした女の子を思い出しました。

陽菜さんの照れた顔も似ていて

もしかして僕達、あの頃に会ってたりして。」

まさかあの時のカーセックスの相手の1人?

こんな雰囲気変わると気づかないよ。

陽菜の目の前に立つのは

嫌味のない柔軟剤の香りがして

紳士的な感じて笑う男性だった。

ノリでやらかしてしまう事は皆にあるのだろうか?

「やっぱり違いますか?すごく似てるんだけど。」


「あはは、そっくりなだけかもしれません。

私は 覚えていません。」


嘘をついてもすぐにバレてしまうかもしれない。

もしかしてこの人もよし君の友達?

何分かして、準備室に忘れ物したのか

佐伯が戻ってきた。

恭平さん?瀬川さんの名前か…。

「あれ?恭平さんこんな所で何してんの?」

心なしかスッキリしている佐伯の顔が妙に笑えた。

「忘れ物してさ…。」

瀬川は咄嗟に嘘をつく。


「ふぅーん。それより二人とも一緒なんて」

「?」

佐伯はにやりと笑い、陽菜の耳元で囁く。

「恭平さんと話してて

昔のカーセックスの思い出話に火がついた?」

陽菜は手元に持ってた荷物を落とす。

笑う佐伯コーチ。

「ん?陽菜さんに何言ったの?」

「なんでもないです!雨止んだかもしれません!」

陽菜は瀬川の手を引きロビーへ向かう。


「ちょっと陽菜さん!そんなに引っ張らなくても

歩きますよ!」

そんな瀬川の声は聞こえない。


瀬川さんはやっぱり知り合いだった。

高校の時に会った4人の中の一人だった。






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