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プールサイドの恋人
第2章 スイミングスクール
高校時代のサイトの話なんて

とっくに頭の隅において忘れていた。

若気の至りってやつ。

「お前の心の準備ができるまで俺、待つから。」

恋愛ドラマで俳優が言ったセリフにときめいた事がある。

実際の恋愛はそう上手くいかない。

付き合った彼氏からエッチしようと言われたら

流されてしまうんだ。

待ってと言えば彼氏に嫌われる方がこわいもの。

❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉


陽菜は社会人になった。


スーツに縁の厚い眼鏡。黒い髪は肩まで伸びている、

美容室は2ヶ月に1回いけばいい方。

仕事は情報誌のグルメコーナー担当をしている。

今月はB級グルメ探索のテーマだ。

食べ歩きもたまにあるので楽しい。

でも毎回心が折れそうなのは…

「吉川くん!これじゃ内容が薄すぎる。頼むよ〜!」

陽菜の上司に絞られる。

「すいませーん。」

相変わらず文章力がなさすぎて

読者に分かりづらいと指摘を受ける。

陽菜は凹む。

「今日までに仕上げてね。」

「はい…。」


今日は街中を歩き回ってヘトヘトなのに。

家へ帰る足取りも重くなる。

最近楽しいことがない。

陽菜は通勤も考えて

会社から電車で

15分のマンションに一人暮らししている。

最近、陽菜は彼氏にフラレて別れた。

陽菜が仕事ばかり優先して

デートを何度か断ったからだった。

仕事が忙しいと言ってるのに

だんだん浮気を疑われる事に疲れてきた。

会いたい気持ちが冷めてきて

残業もないのにわざと断る日もあった。

久しぶりにエッチしても淡泊で。

デートはファミレスからのラブホの流れ。

いい加減飽きてくる。

「お前ってあんまり感じない身体なんだな。」

とエッチの後に言われたのもショックだった。


彼氏のために嫌な日も我慢してエッチしたのに。

考えてみれば自分さえイけば

終わりみたいな人。

なぜかそんな人ばかりだった。

その度に彼氏は私の胸で

勝手に妄想して勝手に幻滅してくる。

そんな繰り返しだった。

私の何がわかるんだと言い返したかったが我慢した。
 
世の中な男性の大半がこんな感じだと割り切った。
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