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セックスレス・快感と安息を求めて-
第12章 優しい男・松山裕



でも、やっと脱出出来た車に、私の家までとは言えず、タクシーとは此処でバイバイ。



「・・・・・」

「・・・・・」


さて‥困ったな……



「お酒覚めちゃったね」

「まあ‥うん…
元々大して飲んで無いけど…」


あの状況で酔うまで飲めるか!!



「飲み直し‥する?」

「松ちゃん家で??」

「そう……」


この場合致し方無い‥か…
ついでに寒いし、サッサと暖まりたい。



「・・分かった」

「じゃ行こう」


スコップを担いで、アパートの3階の松ちゃん家へ……




松ちゃんはバツイチだけど独身者、家の中も男らしく物が少ない。



「日本酒しか無いけど良いかな?」

「うん……」


あまり得意な方では無いが、人ん家で文句も言ってられないし……


乾杯ー!
と、飲み直し開始、此処で朝の3時だよ…
日中は用が無いから、まあ良いが、病院だったら目も当てられない。



「そう言えば此処…
随分前に私送った事無かった??」

「あったかな??」


そうだ、この場所…
まだ俊さんと飲み始めの頃、珍しく私1人が店に残り、酔ったお客さんが偶々家の近くだからと送った事があった。


私自身、こっちのアパートの方に来る事は先ず無い…
記憶にあるのは、その1回きり‥それも3階だった筈。



「そうだ…
あれ、松ちゃんだったんだね」

「俺は酔っていて、あまり覚えてないなー」

「確かに酔ってた…
夏だったから歩いたけど、フラフラと後ろにくっ付いてたから」


えーと…
3階まで強引に上らせて、鍵開けた所で無理矢理突っ込んで帰ったんだ。


当時は全く知らない人だったから。



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