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セックスレス・快感と安息を求めて-
第12章 優しい男・松山裕



「でもね、あれを逃したら次は無かっただろう?」

「まあ‥そうだけど…」


あの日以外だったら、私は松ちゃんの誘いには乗らずに、普通に家に帰ってると思う。



「だから無理したんだけどな」


そう言って、腰をさすってる松ちゃんが面白い…
今まで男と付き合って来て、そんな感情は無かった。


一番近くて‥俊さん…
でもあれは、面白いと言うより年上の楽しさ、松ちゃんとだって7才差、だけど今までよりは歳は近い方に入る。



「無理の場所間違ってない?
まさか本気で車押してたなんて……」

「あれは酔った勢いと言うか、何も考えて無かったと言うか…
そんな事言うなら‥襲うよ?」

「・・ひゃあ!
ちょ‥昼間ぁー!!」


来る度こんな感じ、と言っても半分以上は冗談、本気の部分もあるにはあるんだけど、松ちゃんは病気のせいか精力は弱め。


成功するのは10回に1回程度、なのにそれをあまり気にしなくなった私が居る。


30も後半にもなれば、性的な事は落ち着くのか、それとも違う理由か、あまりそっちの方に気が向かない。


大概こう遊び半分で終わり、これでも良い‥松ちゃんはまだ私を女として見てるから。



やっぱりオヤジとの冷めた生活は辛い…
そんな事もあり、俊さんの時と同じ、松ちゃんに依存しているのかな?


だけど、完全に冷え切ったオヤジより、優しく気を使ってくれる松ちゃんの方を選ぶのは自然な事。


多分もうオヤジと生活を共にする事は出来ない、私が耐えられない……



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