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難問 -兄妹の領域境界-
第2章 夏休みの宿題 別解
未由、高校2年生の妹。
去年まで同じ高校に通っていた。
愛想がない俺とは正反対で、明るく笑顔が絶えない。
その笑顔は昔から、不愛想で無口な俺にも惜しみなく向けてくる。

高校でできた数少ない友人が、俺と兄妹であると知ったときは失礼なくらい何度も見比べられ挙句の果てに「お前の親って再婚だったの?」と言い出す始末。
「正真正銘、血のつながった兄妹だ」と言ったら「ありえない・・・」と呆然としていた。
まぁ、そう思うのも仕方がないのか。黒髪のきつめな顔立ちの母親似である俺に対して、未由は色素の薄い茶色の髪の甘めの顔立ちである父親似だ。
性格もここまで正反対となれば、兄妹だと思うほうが難しい。
とはいえ、運動神経や学力はさすが兄妹というべきか、二人とも甲乙つけがたいくらい優れている。
俺も未由も、こと理系科目に関しては特にトップクラスだ。

(宿題が終わってない・・・ねぇ・・・)

未由の学力からすれば、宿題なんて数日もあれば終わるはずだ。
できるものに対してわざわざ手を抜くことをしない俺に対して、未由は時々できない「フリ」をすることがある。
両親でさえ、お兄ちゃんはなんでもできるのに妹は抜けてるところがあると言う。
気づいているのは俺くらいか・・・。

まぁ、未由なりの処世術なんだろうな。女だといろいろあるだろうし・・・と結論付け、自分の部屋のベッドに転がりながらエアコンの風の気持ちよさに身を任せ目を閉じる。

遠くからピアノの音が聞こえてくる。
(未由が練習を始めたのか・・・宿題は2時間後くらいだな)

規則正しいハノンの旋律が聞こえてくる。
未由が幼稚園に入ったころ、突然ピアノを習いたいと言い出しあまりの勢いに両親も折れ習い始めた。
母が「ピアノがもったいないから佑人も習いなさい」と半ば強制的に通わされたが、今思えば共働きの両親が未由の送り迎えの手間を俺に押し付けたんだろう。
未由と手をつなぎ、二人分のレッスンを終えた後また一緒に帰っていた。
意外にも自分が押した鍵盤が音を返してくる感覚が面白く、大学に入ってレッスンには通わなくなったもののいまだに腕がなまらない程度には弾いている。

かすかに聞こえてくるピアノを子守歌代わりに、そのまま眠りについた。
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