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難問 -兄妹の領域境界-
第2章 夏休みの宿題 別解
時間が押してるのか、焦りながら洗い物をする母親以外は会話はなくとも穏やかな空気。

「お母さん、洗い物私がやっておくよー!」

見かねた未由が母親に声をかけるも、動きは止まる様子がない。

「未由、洗い物をする時間があったら宿題を終わらせなさい!」

「ううぅ」

「ははっ・・」

思わず笑いがもれてしまう。
すると、母親が顔をこちらに向け俺を見る。

「佑人、今日はバイトないの?」

「無いな」

「お小遣いあげるから、未由の宿題見てやってよ!」

「は?」

すると、嬉しそうに未由が振り返り

「え!お兄ちゃん見てくれるの!!?やったーーー!」

「よろしくね、佑人。それじゃぁ私は仕事に行ってくるわ」

俺の返事を待たず、喜ぶ未由と仕事に行こうとしている母親。
悩まし気にため息をつく俺にかまわず、二人は会話を続けていた。

(あまり未由を俺に近づけすぎないでくれよ・・・・)

俺の願いもむなしく、母親は出かけてしまい未由は洗い物の続きをし始めた。

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