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難問 -兄妹の領域境界-
第15章 音楽の鑑賞と実技
「お兄ちゃん、今年発表会出れるの!?」

受験で今年の発表会は出れないと思っていた私は、うれしくて仕方がない。
兄の奏でるピアノの音色が好き。
そして、共にいる時間を増やしてくれ、そばにいることができる連弾。

「やったぁ!」

喜ぶ私に、兄が一言付け加える。

「ただし連弾だけ」

「えっ・・・」

兄のピアノが聴けると思っていた私は少し寂しくなったけれど。

「連弾だけでもうれしい!やったー!今回は何の曲がいいかな~」

確かにソロの曲のほうが難易度が高い。
もちろん連弾ならではの難しさはあるが、私たちに関しては得意分野と言い換えてもいいものだった。
負荷を減らすために、先生がそうしてくれたのかな・・・とウキウキしながら考えていた。

「曲目か・・・」

と、兄がぼそりと呟き何か考え始めている。

唐突に思い出した。
そういえば、今回の発表会のために両親が衣装を新調してくれることになったことを。

「お兄ちゃん、今度の発表会のドレス新しく作ってくれるんだよ!」

興味がわいたのか、視線をあげ私をみる。

「いつ作り行くんだ」

「え、もうお母さんといって注文してきたよ」

私から見ても不機嫌だとわかる様子に、うろたえる。

「なぜ俺に言わない」

(ぇ!?なんで怒ってるの・・・?)

「えっと、興味ないのかなって思って忙しそうだったからいわなかった」

「興味ないわけないだろ」

え、ドレスに興味あったの・・・?今までそんな風に見えなかったけど。

「ごめんなさい・・・、ドレスに興味あるとは思わなくて」

さらに、渋い顔をしため息をつかれた。

「で、どんなの?」

本当にドレスに興味あるのか!

「エンジ色で、キャミソール型のシンプルなロングドレスだよ」

「・・・」

無言、何かお気に召さなかったのか

「基本がサテンとシフォン生地で、ちょっと大人っぽくしたくて、パニエとか履かない生地を多めに使って少しAラインになるくらいかな」

こんな話理解できるのだろうか。

「悪くない」

(え・・・今の説明でわかったの!?)

しかも、好印象?

「仕上がってきたら披露するね!」

「あぁ、弾きたい曲いくつか候補出しとけ」

「うん!」

そうして、より一層発表会が楽しみになった私は、曲選びの意欲をより一層増したのだった。
今回の連弾が引き起こす出来事を知らずに
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