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難問 -兄妹の領域境界-
第15章 音楽の鑑賞と実技
家に戻ると、兄が怖い顔をして私を待っていた。

「おい、お前うちの担任に余計な事言っただろ」

「え?余計な事・・・?なにそれ」

「ピアノの話したんだろ」

「あー、したというかピアノを習ってるかは聞かれたけど・・・」

「聞かれた?なんで担任がそんなこと知ってんだよ・・・」

「家庭調査票じゃない?習い事書く欄あったから」

「クソッ」

「とりあえず、小さいころから一緒に倣ってますよって言っておいた」

「おい、なんで言うんだよ」

「聞かれたから答えただけなのにー・・・」

なぜ詰められてるのか分からない私は、半泣き状態。
そんな私をみて、兄がはっと我に返り、

「すまん、言い過ぎた」

と、私の頭をポンポンとなでてその場を去っていったのだった。

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