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難問 -兄妹の領域境界-
第15章 音楽の鑑賞と実技
そのまま結局気持ちがすれ違ったまま発表会当日を迎えた。
初めて見る未由のドレスは、さすがオーダーというべきか、体とドレスのサイズは寸分の狂いもなく、体のラインを忠実に表していた。
かなり大人っぽいデザイン。普段制服を着ている未由と同一人物と思えない色香。
キャミソールの紐部分でしか覆われていない未由の肩をを誰にも見せたくなくショールをかける。
「似合ってないの?」とでも言われかねない状況なので、話しかけるすきを与えずその場を去る。
プログラムは、小学生の部の後ろに連弾曲が組み込まれている。
そのあとに中高生以上のソロの部がある。
(連弾からか・・・)
楽屋にいても滅入るだけなので、舞台袖の奥から子供たちの演奏を眺める。
未由も同じことを考えていたのか、そこにいた。
未由を見るわけにもいかず、ぼーっと子供の演奏を見続ける。
演奏が終わり客席から拍手が聞こえてくる。
「お兄ちゃんのモルダウそばで一度聞きたかったなぁ・・・」
「・・・っ」
拍手に紛れて、独り言のように無意識につぶやいていたのか俺に向かって言ったのではない・・・が
俺は無意識に未由に詰め寄る。
「どういうことだ」
「へ・・・?」
口に出した自覚がないのか。
「俺のモルダウをそばで聞きたい?」
その瞬間顔を真っ赤にする未由。
「な、何で知って・・・」
「心の声が口から洩れてた」
「え・・と、合唱コンクールのときの演奏が衝撃過ぎて近くで聴きたかった・・・の」
(まさか、俺を求めて言ったわがままとは・・・)
「未由、第2いける?」
「弾けるけど・・・って、えっ」
「俺が第1入る」
「む、無理だよ!一回も合わせてないんだよ?」
「俺たちなら大丈夫だ」
「あっ、そういえばお兄ちゃん第一を嫌がってたのにいいの・・・?」
「ぁー、後で話すから」
「う、うん」
初めて見る未由のドレスは、さすがオーダーというべきか、体とドレスのサイズは寸分の狂いもなく、体のラインを忠実に表していた。
かなり大人っぽいデザイン。普段制服を着ている未由と同一人物と思えない色香。
キャミソールの紐部分でしか覆われていない未由の肩をを誰にも見せたくなくショールをかける。
「似合ってないの?」とでも言われかねない状況なので、話しかけるすきを与えずその場を去る。
プログラムは、小学生の部の後ろに連弾曲が組み込まれている。
そのあとに中高生以上のソロの部がある。
(連弾からか・・・)
楽屋にいても滅入るだけなので、舞台袖の奥から子供たちの演奏を眺める。
未由も同じことを考えていたのか、そこにいた。
未由を見るわけにもいかず、ぼーっと子供の演奏を見続ける。
演奏が終わり客席から拍手が聞こえてくる。
「お兄ちゃんのモルダウそばで一度聞きたかったなぁ・・・」
「・・・っ」
拍手に紛れて、独り言のように無意識につぶやいていたのか俺に向かって言ったのではない・・・が
俺は無意識に未由に詰め寄る。
「どういうことだ」
「へ・・・?」
口に出した自覚がないのか。
「俺のモルダウをそばで聞きたい?」
その瞬間顔を真っ赤にする未由。
「な、何で知って・・・」
「心の声が口から洩れてた」
「え・・と、合唱コンクールのときの演奏が衝撃過ぎて近くで聴きたかった・・・の」
(まさか、俺を求めて言ったわがままとは・・・)
「未由、第2いける?」
「弾けるけど・・・って、えっ」
「俺が第1入る」
「む、無理だよ!一回も合わせてないんだよ?」
「俺たちなら大丈夫だ」
「あっ、そういえばお兄ちゃん第一を嫌がってたのにいいの・・・?」
「ぁー、後で話すから」
「う、うん」