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難問 -兄妹の領域境界-
第2章 夏休みの宿題 別解
一息つくと、急に暑さとうるさい蝉の鳴き声が襲ってきた。
今日湧き出た感情を、ゆっくり全身にめぐらせる。
脳で処理してはいけないものなので、体で理解し受け止める。

(今日の分の許容量は超えたか・・・。俺の予測も精度が落ちたな)

それにしても暑い。
エアコンで冷えていたはずの体も、いつの間にか熱さを取り戻し汗がにじみ出る。

順調に聞こえていた問題を解く音が止んでいる。

セミの鳴き声だけが聴覚を支配する。

「あっつー・・・」

未由がつぶやく。
勉強に飽きたのか、わからないところがあったのか・・・。

「ほら、せっかっく見てやってんだからさっさとやれ」

目は開けず横になったまま突き放す。

返事がない。当たり前か、本当は夏休みの宿題ではないのだから。

「だってわかんないんだもん」

未由が考えてることの方がわからない・・・という考えは持たない。
それを聞いてしまう自分の考えを言葉にしなくてはいけなくなるから。

「ほら、どこがわからないんだよ」

観念して起き上がる。未由の隣に座り問題集とノートを見比べる。

返事はない。

式が途切れているのは・・・

「ん、この問題わかんねーの?」

あたりをつけて指さす。

「えっ、あ・・・」

一瞬間があいて、未由が我に返ったかのように戸惑いをあらわにする。
いつもと違う様子の未由が心配になり、問題集から目を離し未由のうかがう。

そこには、切なさをはらんだ瞳がありゆっくりと視線が絡む。

あぁ、また ト ラ ワ レ タ ・・・・

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