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難問 -兄妹の領域境界-
第18章 2次関数のグラフ
「これどうかな?」

試着した姿を兄に見てもらう。

「ダメ、短い」

「えーー、私身長あるから短めになっちゃうんだよ」

「ちょっと待ってろ」

兄はそう言って店員に話しかけた後、いくつかの服を持ってくる。

「これ着てみろ」

渡される服。自分ではあまり選ばないタイプのもの。
嫌いではないけれど似合うんだろうか。
そう思いつつ、言われた通り試着をする。

「わぁ、すごく素敵ですよ!」

試着室から出た私をみて店員が声をかけてくる。
振り返って鏡を見ると、自分も驚くくらい自分に合っていて、絶妙な組み合わせだった。

「ん、いいな」

私の姿を見ながら、兄がつぶやく。
悔しいけど自分が選ぶものより確かにいい。
そういえば、兄自身服のセンスがよかったことを思い出す。

普段とちょっと雰囲気の違う服にうれしくなり色々な角度から鏡で写してみる。

「さすが彼氏さん、よく見てますね!」

「ええっ」

店員さんにはそう見えるのか・・・。
どう答えたものかとおろおろしてると、その言葉を気にしていない様子で店員にいくつか服を手渡す」

「それでいいか?」

「うん、これがいい」

「じゃぁさっさと着替えろ」

「はーい」

私は急いで元着ていた服に着替える。
試着室を出ると、すでに店の紙袋を持った兄が待っていた。

「え、あれ?」

「もう買った」

店員さんが裏から新しいものを持ってきてくれていたようだ。

「えっ、でもお金」

「俺が選んだんだ、それ位払う」

「あ、ありがと」

「ん」

もうこれはデートみたい、じゃなくて完全にデートだ。

「あ・・・」

だからか。

「何か買い忘れたか?」

「ううん、大丈夫」

だから兄は家族の昼食の場所でいいのかと聞いてきたんだ。
特別な二人が行くようなおしゃれなお店ではなく、ここでいいのかと。

「プラネタリウムいこ?」

兄の顔をちらりと見て言う。

「あぁ」

優しい表情で返事を落とす。
どちらからともなく、いつの間にかつながれた手を握りなおした。
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