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難問 -兄妹の領域境界-
第18章 2次関数のグラフ
「んんっ・・・」

唇がこじ開けられ水とともに何かが口の中に入ってくる。
わけのわからないままそれを飲み込んでいた。

「未由、未由は大切な俺の妹だよ」

「お兄・・・ちゃん?」

いつの間にか出て行ったはずの兄が目の前にいる。

(戻ってきてくれた・・・?)

何が起こっているか解らなくて呆然としたままの私。

タイセツ ナ イモウト

視界には水が入ったグラスと・・・

「今・・・の・・・」

「ん」

今日病院でもらった薬が置かれている。

大切な妹と言いながら薬を飲ませた。

私は導き出した一つの仮定に、思わず顔を上げ兄を見る。

「なんで・・・」

私の浅ましい欲望すら筒抜けなのだろうか。

「俺と同じだから」

「お・・な・・・・・じ・・・」

ぼんやり兄のことを思い返す。そして一つの違和感に遭遇する。
しっくり来ていなかった出来事。
私のことを傷つけてまで、傷ついていた兄。
語られなかった「ゴメン」の理由。

「あぁ、ゴメン、俺には未由の兄であることが必要なんだ」

重なる唇。
語られた「ゴメン」の理由。

お互いの存在を確かめ合うように何度も何度も唇を重ねた。

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