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難問 -兄妹の領域境界-
第19章 巡るテキスト
すぐに返答できないでいる俺をよそに、未由が話を続ける。

「なんか、終業式の時に奈月に強引に渡されたままバタバタしてて放置してたことも忘れてたよ」

(読んで・・・ない?)

「面白そうなのあった?奈月が後学のためにとか意味不明なこと言ってたんだけど」

「奈月・・・、あぁ和也の妹か。ずっと仲いいんだな」

で、どうしてその奈月があの本を未由に押し付けるんだ・・・?
和也が余計な事でも吹き込んだか。いや、あの二人はそういう話はしそうに無いよな。
仲がいいんだか悪いんだか、喧嘩する割にセットで遊びに来たり和也がよく奈月の話題を出す。

「私と全然違うタイプなんだけど、なぜか気が合って学校で一番仲がいいかも」

「意外だな、初め苦手そうにしてた気がしたんだが」

「ぁー・・・、ちょっと最初いろいろ誤解がね」

入学式当日から苦手そうにしてたよな、数時間でどんな誤解が生まれるんだ。
不思議に思いつつも、誤解が解けて心が許せる友人になれたのであれば些末なことか。

(いや、違うだろ)

あの和也の妹の上に、この本を未由に渡した張本人だ。
一体何を考えてるんだ。一度和也に人柄を確認しておいたほうがよさそうだ。
そんなことを考えている中、未由が積まれた本の一番上の小説を手に取って開き始めていた。

「おいっ・・・」

せめて目の前で読むのはだけは勘弁してほしかった。
まさか二人でいるときに本を読み始めるとは・・・。

考え事をして未由を手持無沙汰にさせてしまった自分を呪う。

パラパラとページをめくっていた未由の手が止まる。

「これ・・・読んだ・・・の?」

消え入りそうな声で未由が聞いてくる。

「まぁ、ざっと一通り」

さすがにごまかせる状況ではない、正直に伝えた。

震えながら、全体的な内容を確認するために残りのページをさっと確認し固まっている。

「一通り・・・、ほかの本も?」

「まぁ」

未由は残りの本を全て手元に置き、次々と内容を確認し単行本を開いた時点で再度固まった。
目からは涙が溢れ出し、嗚咽を漏らす。
震える手で本を閉じ、元の場所に戻すと、自分を見られたくないと言うかのように頭まで布団をかぶる。

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