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難問 -兄妹の領域境界-
第19章 巡るテキスト
参ったと思いながらも、恥ずかしさとショックで涙を流し隠れる未由が可愛くて仕方がない。
こういった本を読むのは初めてだったのだろうか。
少なくとも、無造作に置かれていたことを考えると友人から借りた事はなさそうだ。

ふと何かが俺をイラつかせる。
借りたことはなくとも、読んだことはあるのだろうか。
まさか一見少女小説のような本に、ざっと通し読みしただけでも相当過激かつ具体的な描写が含まれているとは想像もしなかった。
単行本については、男性向け程直接的ではないが、反面省略される部分が少なく男性に対する描写が細かいのだ。

(クソッ、なんだこれ)

気に食わない、本の中の登場人物だとしても未由の感情を、劣情を動かすことが。
自分が与えたことのない行為にセリフに酔いしれるなどと。

恥じ入る未由の可愛さと、自分でもよくわからない苛立ちと、未由をなだめろというそれぞれ異質な感情が心の中で混ざり合う。
制御できない感情。

「意外だな」

俺の口から出る声の冷たさに自ら驚く。
冷たくなりそうな声に気を付けつつ、特に何でもないことのように淡々と言葉を続ける。

「未由が本を借りるほど勉強熱心だったとはね」

未由の嗚咽が止み、かぶっていた布団の隙間から俺の様子を覗うのがみえる。

「ぇ・・・?」

聞かれた内容か、それとも俺の口調の冷たさに対してなのか怯えたような声で反応する。
怖がらせているとわかっていても、俺は自分を止めることができない。

「違・・・こんな内容だなんて・・・知らなかった」

それは最初の反応でわかってる。俺が暴きたいのはその先だ。

「じゃぁ自分で本を買って勉強?」

「しないよ!持ってないし!・・・信じてない?」

「別に責めてないし」

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