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第19章 巡るテキスト

「もう少しだから」

キツさは変わらないものの、挿入を阻むものが退いた気がする。
もう少しといったものの、まだ半分しか入っていない。

（未由、ゴメン）

そう心でつぶやき、俺は一気に未由を貫く

「んんーーっ！」

衝撃に未由の体が反る。
俺はあまりにも強い快感と自分の全部を未由の中へ収めたという現実に眩暈にも似た感情が全身を満たす。

「未由、全部入ったよ」

「私の中にお兄ちゃんが・・・」

いつの間にか未由の目から涙があふれている。
このまま離したくない、離れたくない。

中に入ったまま、動かさず可能なすべての肌を密着させキスを繰り返した。

長らくそうしていると、中が俺を締め付けうねりとともに奥へと誘いこんでくる。

「クッ・・・」

それだけでもっていかれそうになる。

「お兄ちゃん、続き教えて・・・？」

溢れていた涙が止まった代わりに潤む瞳。
吐息からは色香が感じられるようになる。

「あぁ」

少しでも気持ちよくさせようかとも悩んだが、最初で最後の二人の初めてを中途半端な感覚にしたくない。
背中に置かせていた手を外し両手の指を絡め縫い付ける。
繋げられる部分は全て繋がりたい。
何方かともなく舌を絡めあう。

ゆっくり動き未由の中の感覚を味わう。
抜こうとすれば絡みつき、奥へ進むと締め付けられる。

心も身体もお互いの境界線がわからなくなっているのは俺だけなのだろうか。
お互いが溶け合ったような感覚。

さすがに限界だ。心と身体が未由にすべてを与えようと歯車が合ってしまう。

「未由、全部受け止めろ」

「うん」

抽送は次第に激しくなる。

「んっ・・あぁ・・・んぅ・・」

（クッ、ただでさえ締め付けがすごいのに絡みついて来る）

「未由っ」

「んぁあああああっ・・・」

未由の最奥に自分を突き刺し、締め付けられる感覚に中心の熱が激しい快感とともに奥へ放つ。
大量のものをすべて注ぎ込もうと何度も何度も射出と収縮を繰り返し、注ぎ切ってもその律動はなかなかやまなかった。