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難問 -兄妹の領域境界-
第20章 積まれたテキストと兄達の苦悩
手渡された数冊の本を受け取る。
カバーがかけられ、少し古いものから新しいものまで。
確かによく奈月が本を買う店のカバーだ。
でもこのサイズ、どう見てもテキストじゃなくて小説と漫画・・・だよな?
目の前で不敵な笑みを浮かべながら悠然とベンチに座っている佑人。
とりあえずなんの本だろう、気になり一番上の小説を開いて読んでみる。
って、単なる恋愛小説かよ。
これなら佑人も参考にはなるのかもな、と思いながらパラパラと進め・・・とあるページで硬直する。
『お兄ちゃん・・・ソコ・・・ダメッ』
描かれているセリフ。これはどう見ても恋愛小説じゃなくて官能小説だろ。
ほかの本も呆然としつつなかば機械的に内容を確認する。
どう見てもどう頑張っても、兄妹の官能小説と漫画にしか見えない。
奈月と佑人の間でこの本がやり取りされている・・・?
佑人と未由のことを奈月に口外したことはない。
「未由ちゃんも読んだのか・・・?」
「読んでねぇ」
だよな、未由ちゃんが読むイメージはない。
なんで奈月はこのチョイスで佑人に渡したのか。
そもそもなぜこんなものを読んでいるのか、よりによって・・・。
どれだけの間そこで呆然としていただろうか。
とっても参考になったという言葉に突っ込むことすら思いつかないくらいに。
「んじゃ、和也に渡しといたからって伝えとくな」
そういって佑人は去っていった。
よりによって俺の手からこれを奈月に返すのか・・・?
俺は一人になってもそこからなかなか動くことができなかった。
カバーがかけられ、少し古いものから新しいものまで。
確かによく奈月が本を買う店のカバーだ。
でもこのサイズ、どう見てもテキストじゃなくて小説と漫画・・・だよな?
目の前で不敵な笑みを浮かべながら悠然とベンチに座っている佑人。
とりあえずなんの本だろう、気になり一番上の小説を開いて読んでみる。
って、単なる恋愛小説かよ。
これなら佑人も参考にはなるのかもな、と思いながらパラパラと進め・・・とあるページで硬直する。
『お兄ちゃん・・・ソコ・・・ダメッ』
描かれているセリフ。これはどう見ても恋愛小説じゃなくて官能小説だろ。
ほかの本も呆然としつつなかば機械的に内容を確認する。
どう見てもどう頑張っても、兄妹の官能小説と漫画にしか見えない。
奈月と佑人の間でこの本がやり取りされている・・・?
佑人と未由のことを奈月に口外したことはない。
「未由ちゃんも読んだのか・・・?」
「読んでねぇ」
だよな、未由ちゃんが読むイメージはない。
なんで奈月はこのチョイスで佑人に渡したのか。
そもそもなぜこんなものを読んでいるのか、よりによって・・・。
どれだけの間そこで呆然としていただろうか。
とっても参考になったという言葉に突っ込むことすら思いつかないくらいに。
「んじゃ、和也に渡しといたからって伝えとくな」
そういって佑人は去っていった。
よりによって俺の手からこれを奈月に返すのか・・・?
俺は一人になってもそこからなかなか動くことができなかった。