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難問 -兄妹の領域境界-
第20章 積まれたテキストと兄達の苦悩
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「あ、未由オハヨー!」
「奈月!おは・・・ごめんなさい!」
「へ?」
新学期久々に教室で顔を合わせた未由が挨拶半ばに謝ってきた。
「どうしたの」
「えっと・・・」
言いにくそうにしながら、教室の人がいないほうへと引っ張られる。
なになに、どうしたの。
「なに、ちょっときになるよー」
「ゴメン、貸してくれた本お兄ちゃんに没収された」
「へ?」
貸した本・・・?長期休暇明けで記憶が・・・
記憶を掘り起こし、そういえば冬休み前に未由に本を貸したような・・・って
「ええええええええええ!?んむっ」
大声で叫ぶ私の口を未由が必死に両手でふさぐ。
「未由は読んだよね?」
中身を伝えず押し付けた記憶がある。中身を知らないとしたら・・・。
「読んではいない・・・かな、没収される直前にパラパラっと中身は確認したけど」
顔を赤らめながら恥ずかしがる。
内容が内容だけに、佑人さんに没収されるというのは相当恥ずかしかっただろう。
「本当にごめんね、内容確認しておけば目につくところに置いておかなかったんだけど・・・」
まぁ、中身を伝えず押し付けた私も悪い。
気に入っていた本だけに残念ではあるけれど、未由を責めるつもりはない。
「こっちこそごめんね、本くらいまた気になったら買うから気にしないで」
「あ・・・」
困った顔をする未由。
「ほんと気にしないでいいから」
「実は、内容を知る前に奈月から借りたって言っちゃって」
「ええええええええええ!?んむっ」
またしても叫ぶ私の口を塞がふさがれる。
ということは、佑人さんにあの本の持ち主が私だってばれている。
は、恥ずかしすぎるっ。穴があったら一生入ってたい。
「お兄ちゃんが、俺から返しておくからって・・・」
佑人さんからあの本を手渡される。
想像するだけで頭がクラクラする。
(佑人さん、兄貴にだけは黙ってて)
あの本を持っていることを知られたら気まずいことこの上ない。
「あ、どこかに取りに行ったほうがいいのかな」
もう、できるだけ早く回収したい。
「うーん、俺から返すって言っただけで具体的なことは何も・・・」
「取りに行ったほうがいいのか聞いてもらっていい?」
「うん、今日帰ったら聞いてみるね」
その後の記憶が思い出せないくらい私は動揺していた。
「あ、未由オハヨー!」
「奈月!おは・・・ごめんなさい!」
「へ?」
新学期久々に教室で顔を合わせた未由が挨拶半ばに謝ってきた。
「どうしたの」
「えっと・・・」
言いにくそうにしながら、教室の人がいないほうへと引っ張られる。
なになに、どうしたの。
「なに、ちょっときになるよー」
「ゴメン、貸してくれた本お兄ちゃんに没収された」
「へ?」
貸した本・・・?長期休暇明けで記憶が・・・
記憶を掘り起こし、そういえば冬休み前に未由に本を貸したような・・・って
「ええええええええええ!?んむっ」
大声で叫ぶ私の口を未由が必死に両手でふさぐ。
「未由は読んだよね?」
中身を伝えず押し付けた記憶がある。中身を知らないとしたら・・・。
「読んではいない・・・かな、没収される直前にパラパラっと中身は確認したけど」
顔を赤らめながら恥ずかしがる。
内容が内容だけに、佑人さんに没収されるというのは相当恥ずかしかっただろう。
「本当にごめんね、内容確認しておけば目につくところに置いておかなかったんだけど・・・」
まぁ、中身を伝えず押し付けた私も悪い。
気に入っていた本だけに残念ではあるけれど、未由を責めるつもりはない。
「こっちこそごめんね、本くらいまた気になったら買うから気にしないで」
「あ・・・」
困った顔をする未由。
「ほんと気にしないでいいから」
「実は、内容を知る前に奈月から借りたって言っちゃって」
「ええええええええええ!?んむっ」
またしても叫ぶ私の口を塞がふさがれる。
ということは、佑人さんにあの本の持ち主が私だってばれている。
は、恥ずかしすぎるっ。穴があったら一生入ってたい。
「お兄ちゃんが、俺から返しておくからって・・・」
佑人さんからあの本を手渡される。
想像するだけで頭がクラクラする。
(佑人さん、兄貴にだけは黙ってて)
あの本を持っていることを知られたら気まずいことこの上ない。
「あ、どこかに取りに行ったほうがいいのかな」
もう、できるだけ早く回収したい。
「うーん、俺から返すって言っただけで具体的なことは何も・・・」
「取りに行ったほうがいいのか聞いてもらっていい?」
「うん、今日帰ったら聞いてみるね」
その後の記憶が思い出せないくらい私は動揺していた。