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難問 -兄妹の領域境界-
第22章 比率の問題
コンコン
ノックが聞こえる。
「はーい」
扉のほうを見ると、ドアを開けたまま固まってる兄が見える。
「な、なんだその恰好」
「かわいいでしょ!体育祭のマーチングの衣装だよ!」
すぐに見せに行こうと思ってたからちょうどよかった。
そばに寄ってクルリと一回転して顔を覗き込んでみる。
「どぉ?似合う?」
返答ナシ。
褒めるタイプではないことは知っているけれど「悪くない」くらいは言ってくれると思っていたからちょっと悲しい。
「何故」
「ん?」
「何故そんなに短い」
短い?スカートのことかな。
「そういう衣装だし、中にアンダーをはいてるよ?」
「ダメだ」
「いや、みんな同じ格好だよ?」
「出るな」
「そんなわけにはいかないでしょ!部活だよ?」
「休め」
「え!?体育祭を?」
「熱出したとでも言っておけ」
「ちょっと、意味わからない!頑張って練習してるのに何でそんなこと言うの!?」
「・・・っ、すまん」
さすがに語気を荒げた私に驚いたのか、我に返ったようだ。
兄に衣装をほめてもらいたくて、頑張って練習した成果を見てほしくて頑張ってたのに。
視界が歪んで、涙が零れる。
「未由!?」
「ヒドイ・・・よ・・・」
「言い過ぎた、頑張ってるのも知ってる」
「もう、着替えるから」
いたたまれなくて、兄を部屋から追い出す。
あの後何度か謝られたけれど、気にしてないからと返すしかなかった。
ノックが聞こえる。
「はーい」
扉のほうを見ると、ドアを開けたまま固まってる兄が見える。
「な、なんだその恰好」
「かわいいでしょ!体育祭のマーチングの衣装だよ!」
すぐに見せに行こうと思ってたからちょうどよかった。
そばに寄ってクルリと一回転して顔を覗き込んでみる。
「どぉ?似合う?」
返答ナシ。
褒めるタイプではないことは知っているけれど「悪くない」くらいは言ってくれると思っていたからちょっと悲しい。
「何故」
「ん?」
「何故そんなに短い」
短い?スカートのことかな。
「そういう衣装だし、中にアンダーをはいてるよ?」
「ダメだ」
「いや、みんな同じ格好だよ?」
「出るな」
「そんなわけにはいかないでしょ!部活だよ?」
「休め」
「え!?体育祭を?」
「熱出したとでも言っておけ」
「ちょっと、意味わからない!頑張って練習してるのに何でそんなこと言うの!?」
「・・・っ、すまん」
さすがに語気を荒げた私に驚いたのか、我に返ったようだ。
兄に衣装をほめてもらいたくて、頑張って練習した成果を見てほしくて頑張ってたのに。
視界が歪んで、涙が零れる。
「未由!?」
「ヒドイ・・・よ・・・」
「言い過ぎた、頑張ってるのも知ってる」
「もう、着替えるから」
いたたまれなくて、兄を部屋から追い出す。
あの後何度か謝られたけれど、気にしてないからと返すしかなかった。