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難問 -兄妹の領域境界-
第22章 比率の問題
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「あっ、懐かしい」

未由が高校の卒業式を終えたのは数日前。
高校時代使用していたものを整理している。

「この時お兄ちゃん最悪だったよね」

聞き捨てならない言葉が聞こえてくる。

「どういう事だ」

未由が眺めている写真をのぞき込む。
そこには体育祭のマーチングバンド衣装を着た未由とそのほかの部員の姿。
あの時のイライラを思い出す。

「悪いのは未由だ」

「え!?」

「比率を考えろ比率を。あの時和也にも同情されたぞ」

「なんで私が悪いことになるの?って比率って何のこと」

結局3年間自覚なしかよ・・・。
あの後の2回結局俺は出場門で待機してたんだぞ。

「本当にわからない?」

俺は未由を片手で後ろから抱き寄せ、反対の手をスカートに伸ばす。
スカートの前半分を衣装と同じくらいの長さまで引っ張り上げる。

「ちょっとお兄ちゃん、ヤダ恥ずかしいよ」

「恥ずかしい?そんなことないだろ」

わざと耳元で囁くように言う。

「全校生徒の前で、この長さのスカートで歩たよな」

「・・・っ!」

「そ、それは衣装だったし周りもみんな・・・」

さらにもう少しで下着が見えそうなラインまでスカートのすそを上げる。

「ターンしてるときは、これ位の長さだ。未由だけな」

「えっ、私だけ・・?」

「比率だよ、ウエストで大まかなサイズ展開のスカートを背の高いウエストの細い未由が着たらどうなるかわからないのか?」

「ぁ・・・」

「一目で、和也があれはヤバイって言ったんだぞ」

「う・・そ・・・」

目の前にある透き通るような肌をしたきれいなラインを描く太ももと、きわどいラインで止まっているスカートの裾。

「しっかり自分で見ろ、この状態で歩いたんだ」

「ゃ・・・、恥ずかしっ・・・」

「初めて着たのを見た時、自分以外が見るのが許せなかった」

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