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難問 -兄妹の領域境界-
第5章 命題の対偶
「よぉ」

外を見ていた佑人が、俺をみてあからさまに眉をしかめ苦い顔をする。
普段ほかのやつが話しかけても表情が変わらないのに、なんでこんな顔をされなければいけない?

「どうした、機嫌悪いのか?」

「・・・・お前と話をしていると悪目立ちする」

少し間をおいて帰ってきた返事は訳が分からないものだ。
まがりなりとも、コンビを組んでプレイしている俺にあんまりじゃないのか?

「ワケわかんねー、何で?」

「女どもがうるさい」

「あー・・・・」

なるほど、そういうことか。
うぬぼれではないが、正直自分は女にモテる。
バスケットボール部で178cmの長身。まだ伸び続けている。甘めの整った顔はカッコいいとよく言われる。
社交的な性格もあって、女子に囲まれることは多い。
入学してから3か月で何度告白を受けたことか・・・。
妹からは「チャラ男」呼ばわりされているが。

「気にすんな」

「気にしろ」

そういいつつも、この場から去ろうとしないで返事を返す佑人が心なしかかわいく思える。
そもそも男の自分がいうのもなんだが、こいつも相当カッコいいという部類だろうに。
一見怖さを感じさせるが、顔立ちは相当端正なもの。今でこそまだ幼さから不良っぽいという印象はぬぐえないが、二年後には周りの見る目が豹変するのではないだろうか。
こいつは自分の価値をわかっていない。
学校で誰とも関わらず何かに執着している様子もないのに、どうしてこんなにも飾らないのに存在感を放つのか。
その力はどこから来るのか。

こいつを知りたい、とあらためて思う。
佑人は自分のことを一切語らない。
どこに住んでいるのか、どこの中学だったのか、普段何をしているのか、何を考えているのか。
俺は佑人を何も知らない。

残念だな佑人、俺はお前に興味を持っちまった。
俺は知りたいと思うものに貪欲だぜ?周りがうるさいかもしれないがあきらめろ。むしろそのうちお前のほうが原因になりそうだけどな。

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