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難問 -兄妹の領域境界-
第5章 命題の対偶
「今日お前放課後空いてる?」
今はテスト準備期間のため、部活は休みだ。
「無理」
容赦なく断られる。学校以外で関わりたくないのか?と思いつつ聞く。
「いつなら大丈夫なんだよ」
少し間があく。
「明日は空いてる」
拍子抜けするくらいあっさり言葉が返される。
適当に濁されると思っていた。
「じゃぁ、明日放課後開けとけよ、適当にあそぼーぜ」
「あぁ」
「お前ん家どこ?」
「下北」
「お、ちょうどいいじゃん、遊びに行っていい?」
「絶対無理」
佑人が眉をしかめた。表情が変わることがめずらしい上に「絶対」というらしくない言葉を口にしながら。
場所はあっさり答えたのに?
「えーなんでだよ、親うるさいの?」
「共働きだからいない」
「だったらいいじゃん」
「無理」
「俺、部屋散らかってても気にしないよ?」
「散らかってない」
「なら問題ないよな」
「だめだ」
「なんでダメなんだよ」
「だめだから」
結構プライベートなこともあっさり答えるのに、家に行くことをかたくなに拒む。
理由すら言わない。お前の家に何があるんだ?
気にはなるが、これ以上言っても無駄だろう。
「仕方ない、じゃぁカラオケでも行くか?」
「・・・いったことないがいいか?」
「は・・・?」
カラオケに行ったことがない・・・?一体どういう生活送ってたんだよ。
「友達とかといかなかったのか?」
「友人はいない」
あまりの衝撃に、言葉がない。そんな発言をした本人は全くそのことを気にする様子がない。
「じゃぁ、もしかして俺が初めての友達?」
自分でも相当気持ち悪いことを言っている自覚はある。
「あ?あぁそうなるな」
肯定の言葉がむず痒い。
「じゃぁ佑人、明日はカラオケだ。お前の初めてを二つもらってやる」
「気持ちわりぃ言い方すんな」
「照れるなよ」
「照れるか」
その日をきっかけに、佑人とつるむようになり今では当たり前のように隣にいる。
結局カラオケは、いろいろ教えてやろうと考えていた俺の出る幕はなく、音程を外すことなく様々な曲を歌いこなす佑人に対抗心を燃やして歌いまくった。
今はテスト準備期間のため、部活は休みだ。
「無理」
容赦なく断られる。学校以外で関わりたくないのか?と思いつつ聞く。
「いつなら大丈夫なんだよ」
少し間があく。
「明日は空いてる」
拍子抜けするくらいあっさり言葉が返される。
適当に濁されると思っていた。
「じゃぁ、明日放課後開けとけよ、適当にあそぼーぜ」
「あぁ」
「お前ん家どこ?」
「下北」
「お、ちょうどいいじゃん、遊びに行っていい?」
「絶対無理」
佑人が眉をしかめた。表情が変わることがめずらしい上に「絶対」というらしくない言葉を口にしながら。
場所はあっさり答えたのに?
「えーなんでだよ、親うるさいの?」
「共働きだからいない」
「だったらいいじゃん」
「無理」
「俺、部屋散らかってても気にしないよ?」
「散らかってない」
「なら問題ないよな」
「だめだ」
「なんでダメなんだよ」
「だめだから」
結構プライベートなこともあっさり答えるのに、家に行くことをかたくなに拒む。
理由すら言わない。お前の家に何があるんだ?
気にはなるが、これ以上言っても無駄だろう。
「仕方ない、じゃぁカラオケでも行くか?」
「・・・いったことないがいいか?」
「は・・・?」
カラオケに行ったことがない・・・?一体どういう生活送ってたんだよ。
「友達とかといかなかったのか?」
「友人はいない」
あまりの衝撃に、言葉がない。そんな発言をした本人は全くそのことを気にする様子がない。
「じゃぁ、もしかして俺が初めての友達?」
自分でも相当気持ち悪いことを言っている自覚はある。
「あ?あぁそうなるな」
肯定の言葉がむず痒い。
「じゃぁ佑人、明日はカラオケだ。お前の初めてを二つもらってやる」
「気持ちわりぃ言い方すんな」
「照れるなよ」
「照れるか」
その日をきっかけに、佑人とつるむようになり今では当たり前のように隣にいる。
結局カラオケは、いろいろ教えてやろうと考えていた俺の出る幕はなく、音程を外すことなく様々な曲を歌いこなす佑人に対抗心を燃やして歌いまくった。