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難問 -兄妹の領域境界-
第7章 夢の中で解く旅人算
「つかれた~・・・」

日中は到着するや否や、動物園を堪能することになった。
犬の散歩の体験では、兄が大型犬を見事に従えている一方、私が連れている小型犬が兄にしがみついて離れようとせず、かなりなつかれていた。
動物にまでモテるのか!兄になついた犬は絶対にメスだ。
私はへとへとな体を引きずって、そんなことを考えつつチェックインをしている両親を待っていた。

「はしゃぎすぎだ」

そういいながらも、私のカバンを腕から抜き取る。

「だって、たのしかったんだもん」

「そんなんで体力持つのか?」

(・・・っ!)

大した意味のない言葉に心が過剰反応する。
友人から無理やり押し付けられる、少し大人の漫画や小説にあったセリフと同じ言葉が兄の口から聞き、その先を思い出してしまう。
今日の私はおかしい。

(落ち着け私)

「お兄ちゃんと違って若いから一晩寝れば疲れなんてすぐなくなるから!」

(一晩寝る・・・兄と同じ部屋で)

自分の言った言葉にも動揺する。
今の顔を見られてはいけない・・・・

クルリとすねたふりをして兄に背を向ける。

「無理するな」

ポンポンと頭を撫でられる。

(反則っ・・・)

いつもされている行為にすら胸が締め付けられる。
顔を上げられない。兄の顔が見ることができない。
足元を見つめたままの私。

「それじゃぁ、荷物を部屋に置いたら温泉ね!19時から食事処で食事だからそれまでに降りてくるのよ」

チェックインをした両親が戻ってきた。
テキパキと母が指示する。

「未由?顔が赤いけど大丈夫かい?」

父が心配そうに私をのぞき込む。

「う、うん!ここあったかくて火照っちゃってるだけだから」

「辛かったらちゃんと言うんだよ?」

ポンポンと頭を撫でられ、部屋の鍵が渡される。

うん、そうだよ、これと同じ。私が考えすぎてるだけなんだ。

「うん!ありがとう」

笑顔で返事すると、両親について部屋に向かう。

その後ろには、複雑そうな表情をした佑人が立っていた。

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