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難問 -兄妹の領域境界-
第7章 夢の中で解く旅人算
「んーーーー!きもちいい!」
温泉につかり、手足を伸ばす。
室内にいたとはいえ、冬の寒さで冷えていた体に熱がしみいる。
母も遅れて湯船に入ってくる。
40代とは思えない豊満な胸の張り。腰は艶めかしくくびれ、豊かな臀部へと曲線を描く。
「お母さんスタイルいいなぁ・・・何で似なかったんだろう」
未由は母より小ぶりな胸とくびれというものが存在しない自分の体に劣等感を感じた。
「ふふ、未由だって十分魅力的よ?」
しぐさすら色っぽい。大人になれば私も色気が出るのだろうか。
「大人っぽくなりたいよ・・・・」
最近急に友人たちが大人っぽくなっていった気がする。
兄も急に大人びて、なんだか自分だけが置いて行かれてしまうような気持ちに襲われる。
兄の周りにいる女性は友人たちよりももっと大人っぽいのだろうか・・・。
「あら、未由髪がお湯につかってしまってるわ」
ゆるく結いすぎたのか、まとめた髪が崩れかけていた。
「あ、直さないと」
一度髪をほどき、さっきより高い位置で髪をきつくまとめる。
「よし」
結い終わると、母が怪訝な顔をしている。
「お母さんどうしたの?」
「えっ、あぁ、夕食のメニュー何だったかなって」
そういえば、この宿はその土地の素材にこだわった会席料理を出すことで有名だ。
「ここの料理おいしいんだよね?楽しみ!」
「そうね、楽しみだわ」
だいぶ体も温まり、そろそろ顔もほてってきた。
「それじゃぁ先に上がってるね!」
湯船を出て、軽くシャワーで体を流し私は脱衣所へ向かった。