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難問 -兄妹の領域境界-
第11章 夢の中で解かせる旅人算
しかし、兄としてではなく触れてしまったあの日から、あふれ出る感情は日増しに増え強くなり頭で考えなかった感情に俺の行動は支配されつつあった。

子供のそれとは違う、指先を絡め遊ばせながらつながれていることを確かめる行為。
切なさに耐えきれず体を抱き寄せた。
触れる唇は、家族を言い訳にできないほど深くなっていった。

未由が一切の抵抗をせず、何も聞かずに受け入れてくれていることをいいことに・・・。

俺も健全な男だ、その体の衝動が行き着く先は想像できる。いや、そうならないように今もうすでに耐えている。
俺のそんな身勝手な欲望から未由を守りたい一心で。

いや、その守りたいという気持ちすらもう今となっては俺のエゴでしかない。
未由のすべてを俺のものにしたい、支配したい、心も体も。この考えはもう、兄という立場をゆうに超えて男としてのものだ。

この気持ちはなんだ?恋愛感情を持ったことがない俺にはわからない。
これが恋なのか?言葉に変えた瞬間拒否感を覚える。そんなかわいらしい生ぬるいものでは、ない。
好き?愛している?そんな言葉じゃこの感情は表現できない。
未由がいればいい。決して俺のそばから離さない。

自ら歩み寄り直視した狂気に流されそうになった時に、ふと不安そうな未由が浮かぶ。

(・・・っ)

そうだ、未由を傷つけるとこは許さない。誰も、俺であっても。

未由を大切に思う気持ちと狂気という相反する感情に、恐怖と不安に襲われる。

ふらふらと、景色を眺めている未由に近づいていく。

(未由・・・)

「すごく、きれい・・・」

渦巻く自分の中の不安もきれいにしてほしい。
未由の存在を腕の中に感じて安心したい。

フラットソファーで座って景色を眺める未由の後ろから包み込むようにだきしめる。
それだけで俺の不安を取り除いてくれる。

突然の抱擁に驚いたのか、体を固くする未由の頭をなで、そっと自分によりかかせる。
その動作に素直に応じ、未由は俺に体を預ける。

「きれいだな」

二人体を寄せてみる景色は、俺にとって忘れられないものとなった。

このままではいられないという 「確信」 

だったらもう少しこの景色を眺めていたい。
星に願うように俺は景色を見ていた。


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