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難問 -兄妹の領域境界-
第11章 夢の中で解かせる旅人算

未由の身じろぎを感じた。

ふと目をやると、じっと俺を見ている。
その瞳の中には、不安や動揺といった感情は存在せずただまっすぐに見つめている。

甘えるでもなく、恥ずかしがるわけでもなくただそこに在る。
その姿は美しい。

唇をそっと乗せ敬虔なるキスをする。
未由が望む限り、生涯をかけてお前を守る・・・という誓いを立てて。

未由の瞳が熱を帯び始める。
その変化に愛しさを感じる。今までのお互い考えることを避けてしていたキスをは違う。
明確な意思を持って未由の唇を求める。

そっと未由のあごに手を添え上を向かせ、その感触をゆっくりと確かめ離れる。
何度もいろんな角度から、時には長めに、時にはついばむようにその感触を刻み付けるように唇を重ねる。

いつもなら感情の許容量を気にして止める頃だが、得体のしれない感情と向き合った佑人は止めることをしなかった。

重ねるだけのキスから少しずつ変化していく。
唇を甘噛みし刺激を与え、舌で唇をたどったりを繰り返す。

「未由」

求める余り、名前をつぶやいてしまう。今まで、触れている途中決して呼ばなかった名前。また一つラインが崩れる。
そして、そんな自分の行いがさらに情欲が駆り立てる。俺の理性は崩壊寸前だ。

「お兄・・・ちゃん・・・」

キスとキスの合間に切なげに俺を呼ぶ。
うるんだ瞳、紅く濡れる唇、少し息の上がり、纏っている浴衣の合わせが崩れしどけない姿に、俺は欲情した。

上がった息で少し開いている未由の唇を舌で開いて、未由のそれにゆっくり絡ませる。

「ぅんっ・・・」

未由からこぼれる甘い声に自分の中心が熱くなる。

さらにゆっくり舌を絡めると、真似をするかのように応えてくる。
舌先を刺激しあう行為からさらに唇を吸ったり舌を甘噛みしたりと進む。

未由がつらくないよう、苦しくないようにとゆっくり・・・

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