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喰われる人妻 菜穂
第28章 喰われる人妻 菜穂(28)
「大丈夫ですよ、奥さんは声を出さないように気を付けていればいいですから。私だって部下達の前で恥はかきたくないのでね。」
確かに天野の指使いは決して激しいものではなかった。
声が出そうだけれど、ギリギリで我慢できてしまう程度の刺激。
天野の指の軽いタッチは、その絶妙なラインを維持していた。
しかしそれでも確実にジワジワと快感は身体全体に広がってくる。
「ハァ……ぁ……ぁ……ハァ……」
そしてバスが出発して30分程が経った頃だろうか、菜穂に最初の小さな快感の波が近付いてきていた。
「ぁ……ぁぁ……ダメ……ダメです……ハァ……」
天野の腕を触って小さな声で訴える菜穂。
「イキそうですか?いいですよ、このままイっちゃいましょう。」
そう言われても、絶頂したらその瞬間はさすがに声が出てしまいそうで怖い。
すると天野は菜穂の荷物にタオルが入っているのを見てそれを勝手に取り出すと、菜穂に渡してきた。
「ではこれで口を押させていてください。」
「……」
菜穂は仕方なくそのタオルを受け取ると、何回か折りたたんでタオルを厚くしてから口に当てた。
そして天野はそれを確認すると、再びクリトリスを弄り始めた。
細かく指を振動させて、快感のさざ波を起こしていく。
「さぁ奥さん、いいですよ。」
「ぁ……ぁ……はァァ……」
先程までよりも少し強めにクリトリスを擦り、菜穂をオルガズムに向かわせる天野。
菜穂もう、その快感から逃れる事ができなかった。
――あっあっ……ダメ……イッちゃう……こんな場所で……すぐ後ろに人がいるのに……智明も近くにいるのに……――
――ああっ!もうダメ……イクッ……イクッ……あああっ!――
「ィ……はァァッ……んっーーー!!!」
タオルの生地に熱い息を吐くようにして声を押し殺しながら絶頂に達する菜穂。
腰が座席から少しだけ浮き上がり、身体がビクビクと痙攣を起こし、頭の中が数秒間真っ白になる。
それは昨夜味わったような深い絶頂ではなかったが、それでも菜穂の中の〝女〟の部分を目覚めさせるには十分な快感だった。