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兄と妹の暑い夏
第3章 俊次、部屋で1人
 6月上旬の土曜の夜―――。

 自分の部屋にて俊次は溜め息ばかりついていた。




「いったい花凜はどうしたんだろう」

 独り言を言う俊次。




 先月の誕生日以来、花凜がとり続けている大胆な行動に俊次は心をかき乱され続けていた。

 元々ごく稀に、お風呂上りにバスタオル1枚でうろうろすることもあった花凜ではあったが、最近はそれがしょっちゅうになってしまっている。

 父も母も大らかな人柄なので、花凜に対して注意する者は誰もいないのだ。

 父に至っては「セクシーな格好でうろうろするのは家の中だけにしてくれよ。外でそれをすると、花凜みたいな子は1秒で男に襲われるぞ」などと茶化すこともしばしばある。



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