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虹の彼方で
第4章 ディナータイム

「袖にカレーつく」

「あー、はいはい」

双子君Aが、福神漬に手を伸ばした双子君Bを優しく咎めてる。



そんな光景を、ぼんやり見ながら、私は余り食が進まなかった。

「美咲、腹減ってない?」

「あ、うぅん」

「心配事? どしたん? あ、もしかして、美咲って方向音痴? 学校なら、俺が連れてってやるよ?」

「……うん、ありがと、翼君」

「翼でイイって。"君"とかいいから」

「……うん」

なんとなく愛想笑いを浮かべつつ、カレーを口に運ぶ。

斜め向かいで食べてる金髪の人は、最初に「タクミ」と名乗ってからは、何も言わずにスプーンだけを動かしてる。

味見した時は、凄い美味しいと思ったはずのカレーが、なんだか美味しく感じられなくて、ちょっと不安で横を向くと、目があった城西さんが「大丈夫」と唇だけで告げてくれた。

平気、なの?

私、ここにいても、いいのかな……?

私の胸の中の呟きが聞こえたみたいに、内田さんが徐に口火を切った。

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