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虹の彼方で
第13章 こんな夜も
夕飯を食べ終えて、ジョニーさんが部屋に戻った後。

タクミと翼が、双子くん達と連れ立って、リビングを後にするのを、私は不思議そうに眺めていた。

あの4人、こないだも一緒に何か出かけてた?けど、そんなに仲良しなのかな?

「よぉ美咲。皿は俺が洗ってやるから、お前、今日は、1階の風呂、入れるぞ」

「え?」

「うるさいのが外で遊んでる、今のうちならな」

マサさんの笑みに、足早にいなくなった4人の謎が深まる。

「あの……、皆、どこに行ってるんですか?」

「あぁ。外の坂を少し登ったところにな、ちっちぇーけどバスケコートがあんだよ」

「バスケコート?」

「見に行くのは構わねーけど、遅いと12時近くまでやるぞ、あいつら」

「え!」

「若いよなぁ。羨ましいもんだぜ」

マサさんが珈琲の入れながら喉奥で笑うと、テーブルを拭いていた私の後ろを通り過ぎる。

「お前、風呂はいんねーなら、俺が入るけど?」

「あ、はい……。どうしよ……」

「なんなら、一緒に入るか?」

「は、……、……はい?」

「初日で疲れてんだろ? 俺が洗ってやっても構わねーぞ」

思わずソファに座ってるマサさんの方を見たけど、マサさんはテーブルを拭いてる私の方なんて見ないで、新聞のテレビ欄を見ながら、適当に話してるの。

片手間でセクハラ発言するなんて……!

なんとなく、いや、間違いなく、確信したよね。

「マサさんて」

「おー」

「親父ですよね」

「っふははははは。そうだな。美咲から見たら、そう見えんだろうな」

新聞をガサガサさせながら肩を揺らして笑ってるから、もういいや、と思ってテーブルを拭き直そうとする。

その視界の中、マサさんが動いた気がして、ふっと視線を戻したら、

ソファの背もたれ越しに振り返ったマサさんと、ばちっと視線が噛み合った。

「親父は嫌いか? 美咲」

「……!」

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