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虹の彼方で
第14章 思い、それぞれ
「なんか、……すごかった」
そのまま、身体を後ろに倒すと、ベッドに座ったまま、私は天井を仰いだ。
春樹君のテンションって、独特だと思ってはいたけど、想像以上に独特で驚いた。
会話が直球すぎるっていうか、素直っていうか。
あ、でも、応急処置は、手際良かったなぁ……。
「―――あの角度で、パンツ、見えてなかった、よね?」
改めて思い起こして、複雑な気持ちになったけど……
春樹君の態度を見る限り、そんな空気、全くなかったし―――。
「あ―――」
終わったことなんて考えても無駄無駄!
私は、ベッドに寝転がり直すと、誰もいないのをいいことに左足を持ち上げて胸にひきつけた。
「……」
スカートが捲れるのも気にせず、サポーターの巻かれた足を見ていたら、
ふと、昨日今日の、皆のバスケットしてた姿を思い出した。
何かに打ち込めるって……、いいなぁ。
「私も、何か部活すれば良かったかも」
大学行ったらサークルやってみよ。
部活なんて、中学の時に吹奏楽やって以来だし。
身体を起こして服を着替えると、痛みの和らいだ足で、私は階下の食卓へ向かった。