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篠突く - 禁断の果実 -
第1章 本編一話 罪を重ねる

「……ごめん」
隣で布団を手繰り寄せながら、彼は消え入りそうな声で言った。顔は窓のほうへ逸らされており、その表情をうかがうことはできない。
「……痛かったでしょ、姉さん」
私は黙っていた。清らかさを思わせる真っ白なシーツに染みた液体に、ぼんやりとしていた頭が覚醒する。
――……ああ、私、弟としたんだ。
ベッドに横たわった格好のまま、横目に床を見る。乱暴に脱ぎ散らかされた制服が、私を見ている。私達を見ている。裏返った下着のクロッチが丸見えになっていて、いやらしい二つの色が余計に罪の意識を感じさせる。十二月の冬の冷気とは裏腹に、私の小さな壷はまだ熱を帯びてジンジンと疼いている。
高校三年の私には、一つ下に弟がいる。百五十八cmの私よりも頭ひとつ分近く背が高い彼は、母に似て抜けるように肌が白く、女の子のように綺麗な顔立ちをしている。彼は、一年前の激しい雷雨の日、私を“女”にして、“男”になった。それからというもの、私達は雷の鳴る雨の日に、どちらからともなく体を重ねた。
隣で布団を手繰り寄せながら、彼は消え入りそうな声で言った。顔は窓のほうへ逸らされており、その表情をうかがうことはできない。
「……痛かったでしょ、姉さん」
私は黙っていた。清らかさを思わせる真っ白なシーツに染みた液体に、ぼんやりとしていた頭が覚醒する。
――……ああ、私、弟としたんだ。
ベッドに横たわった格好のまま、横目に床を見る。乱暴に脱ぎ散らかされた制服が、私を見ている。私達を見ている。裏返った下着のクロッチが丸見えになっていて、いやらしい二つの色が余計に罪の意識を感じさせる。十二月の冬の冷気とは裏腹に、私の小さな壷はまだ熱を帯びてジンジンと疼いている。
高校三年の私には、一つ下に弟がいる。百五十八cmの私よりも頭ひとつ分近く背が高い彼は、母に似て抜けるように肌が白く、女の子のように綺麗な顔立ちをしている。彼は、一年前の激しい雷雨の日、私を“女”にして、“男”になった。それからというもの、私達は雷の鳴る雨の日に、どちらからともなく体を重ねた。

