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篠突く - 禁断の果実 -
第4章 本編四話 逆襲

私はふう、と短く溜め息を吐いて教卓から下りた。そして河内によって飛ばされた赤縁の眼鏡を拾いに行く。
しんと静まり返って時間が止まったような教室の中で、唯一動いている悠をクラスメイトが目で追いかける。
「……レンズ、傷ついちゃってる。弁償よろしくね、河内くん」
私は普段の呼び方でにこりと彼に微笑みかけた。
振り返ると、教卓の傍で未だに呆然としている弟の姿が目に入る。
「孝哉、ご飯まだなんでしょ? 残さず食べなさいよ」
孝哉の背中をぐいぐいと押し、廊下に出そうとしたところで、彼は漸く口を開いた。
「……姉さん……全部わかっててこんなことを?」
声を潜めて孝哉が問う。
「ん?」
「言ってよ。心臓に悪い」
とぼけた私を見て孝哉は安心したようで、ホッと息を吐いた。
しんと静まり返って時間が止まったような教室の中で、唯一動いている悠をクラスメイトが目で追いかける。
「……レンズ、傷ついちゃってる。弁償よろしくね、河内くん」
私は普段の呼び方でにこりと彼に微笑みかけた。
振り返ると、教卓の傍で未だに呆然としている弟の姿が目に入る。
「孝哉、ご飯まだなんでしょ? 残さず食べなさいよ」
孝哉の背中をぐいぐいと押し、廊下に出そうとしたところで、彼は漸く口を開いた。
「……姉さん……全部わかっててこんなことを?」
声を潜めて孝哉が問う。
「ん?」
「言ってよ。心臓に悪い」
とぼけた私を見て孝哉は安心したようで、ホッと息を吐いた。

