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夏の夜の終わりに。。。
第16章 アイツの出所
周りを伺って、小声で…。

「今日、奥さまの誕生日ですよ!」
「あっ!だから、今朝あんなに機嫌良かったのか!」
「ダメですよ。忘れちゃ!じゃ、失礼します。」

俺は、営業の一種で、担当者関係の誕生日や結婚記念日を把握しては、トークに紛れ込ませる。

「そういや、本田さんとこ、もうすぐ楓くんの誕生日か!」

手帳を閉じ、次の得意先へと周り、昼を食べ、また得意先へ。1日に何度も行くから、会社にいない事が多い。

【もしもし?はい、こちら、東陽商事です。あっ、そうですけど。今、ちょっと席を外しておりまして。はい。住所ですか?緊急?○市の○○町17922-5ですけど?あっ、もしもし?】

「変な電話だったなぁ?」
「伊東さーん。応接にお茶2つよろしく!」
「あっ、はーい!今日、忙しいなぁ!」

だから、アイツから、電話があった事も知らなかった。
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