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おじさまと咲姫
第17章 口実
咲姫は泣きそうになり、誤魔化すように早口に告げた。
「…だからそれ、食べかけだって。今度こそ綺麗なのをあげるから-」
ケーキにナイフを入れようとした咲姫を、悠眞が止めた。
「もういい」
『すげぇ、美味い』-言ってくれた直後なだけに、咲姫はショックを受けてしまう。
たった一口食べただけなのに、もういいだなんて-やっぱり、口に合わなかった?
様々な理由を思い描いていると、悠眞は同じ台詞を吐いた。
「もういい…今は」
「今は…?」
「さっきも言ったけど、昨日飲み会あってさ、まだ酒が抜け切ってないんだよ。そんな状態で食べるより、夜の完全素面(しらふ)の時に食べた方が、絶対美味しいに決まってるだろ」
悠眞は笑った。
「でも、まあ?この二日酔い気分で食べても、こんだけ美味しかったんだから-」
-今夜はどんだけ美味いやつ、食えるんだろうな。
悠眞の言葉は、咲姫の頬をこれ以上はないくらい火照らせた。
「すげぇ、楽しみにしてるよ。咲姫」






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