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おじさまと咲姫
第19章 遭遇
何より。
これ以上、彼に迷惑をかけたくなかった。
そして。
これ以上、彼に惑わされたくなかった。
どうにか身体を反転させ、彼に向き合うように立つ。
躊躇いながらも-咲姫は彼の左腕を、そっと掴んだ。
皺になったら申し訳ないなと思いつつ。
まさか腕自体をがっちり掴む事も出来ず、どちらかと言うとスーツの生地を握らせてもらう形となった。
「しっかり掴まってろよ」
悠眞に念を押され、咲姫は俯いて首を縦に振った。
とてもじゃないが、彼の顔を見てなんて-いられなかった。
「…会社の帰り?」
分かりきった事をと思ったけど、それ以外に話題を探せなかった。
「まあな」
いちいち訊くなと言われてしまうかな-危惧したが、悠眞はすんなり返してきた。
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