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おじさまと咲姫
第20章 動揺
有名店の-しかも季節毎にフルーツが変わる、限定ケーキだ。
美味しくないはずがない。
さしもの彼も驚く美味しさだろう-期待しながら待てば、やがて悠眞はフォークを皿に置いた。
どれだけ感嘆の声を上げるだろう-わくわくしてると、意外な一言を悠眞は放った。
不味くはないけど-前置きして、悠眞は言った。
「デパ地下の有名店の味も大した事ねぇなあ」
小馬鹿にしたように、悠眞の鼻が鳴る。
開店前から行列に並んだ咲姫としては、正直納得いかない彼の感想だった。
煙草ばっか吸ってるから、味覚どうかしちゃったんじゃないの?-少々憤慨気味に、咲姫は自分もケーキを頬張った。
口いっぱいに、幸せな味が広がってゆく。
「すっごく美味しいじゃん。これのどこか美味しくないって…!」
咲姫が叫べば、悠眞は気怠そうにソファに踏ん反り返った。
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