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おじさまと咲姫
第20章 動揺
「あ、じゃあ、私切るよ?」
『お客様は座ってろ』-悠眞は言ったが、それでも皿を出したりケーキを切ろうとナイフを探せば、もう何も言ってはこなかった。
悠眞が淹れてくれたコーヒーの香りがリビングに広がり、テーブルの上には咲姫が切り分けた季節限定のフルーツケーキが並んだ。
六月は、メロンだった。
これでもかと言うくらいにメロンが盛られたそれは-見ているだけで、美味しさが十分伝わってくる。
「すげぇ、幸せそうな顔」
うっとりと目の前のケーキを見つめるところを、真向いのソファに座る悠眞にばっちり見られた。
大恥もいいとこである。
「もー、うるさい。私の事はいいから、早く食べてみてよ」
-私が作ったケーキよりも、ずっと美味しいから。
咲姫が促せば、悠眞は素直にそれを口に運んだ。
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