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おじさまと咲姫
第22章 失恋
「この時はまさか思わなかったな」
「ゆうま…?」
「この真新しいランドセルに…大きな掠り傷がつくなんて」
写真立てを握る悠眞の右手に力が籠った。
写真を眺める彼の双眸は細まり、苦しげに眉が寄る。
悠眞が何を指して言っているのか-咲姫は気が付いた。
咲姫がどう返して良いか分からずにいると、やがて悠眞は写真をサイドボードの上に戻し、咲姫に向き直った。
「ごめん」
一言、謝られた。
「余計な事口走ったな」
申し訳なさそうな悠眞の顔に、咲姫は慌てて首を振る。
「全然。平気だよ。強がりなんかじゃなくなんでもない」
本心からだった。
そんな過去に、もう囚われてなどいなかった。
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