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おじさまと咲姫
第6章 大人
ゴールデンウィーク真っ只中の、五月五日。
大学の最寄駅で電車を降り、混雑する駅前を背に路地を進む。
ホワイトの生地にブルーの小花がプリントされた、タックワンピース。
数日前ショップを覗いた際に、ひとめ惚れして購入したものだった。
真新しい洋服に身を包み、咲姫は約束の店へと急いでいた。
今日は新しいものを身につけるに相応しい日だった。
お天気は快晴。
天気予報ではこれから午後にかけ、夏並みに気温が高くなるらしかった。
膝丈のワンピースが春風になびき、太股が一瞬露わになる。
右の大腿部に見え隠れする、十三年前の傷痕。
気のせいでは片付かないくらいには、未だに残ってる。
けれど、彼女はそんな事はものともしない。
真夏になればショートパンツにだってなるし、サークル活動でテニスをする時にはスコートを履く事もある。
見たい人は見ればいいし、訊かれれば傷を負った理由だって包み隠さず話してきた。
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