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おじさまと咲姫
第6章 大人
これは『目印』だと彼に言われたあの日、決めたのだ。
この程度の傷を、出来ない言い訳にしないと。
隠す必要なんてない。
恥ずかしいなんてちっとも思わない。
常に堂々と。
寧ろ見せつけるが如く。
履きたいミニスカートは履いて、お洒落を楽しむ。
夏になれば海に行く事にもなんの抵抗も示さない。
やりたいと思った事はなんでも挑戦してきた。
制服はあまりに短くし過ぎて、高校時代などは散々呼び出しを食らったくらいだ。
周りの人と何も違わない。
ほんの数秒、右足が追いつかないだけだ。
強めの風が再び舞い、ワンピースの裾と、肩を超えた黒髪が攫われる。
手櫛で乱れた髪を直していれば、やがて目的のイタリア料理のお店に到着した。
店内に入ろうと自動ドアの前に立とうとし、ふと思い出す。
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