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おじさまと咲姫
第22章 失恋
自分を抱く彼の力が、明らかに弱まった。
咲姫が急いで顔を上げれば、視線が繋がる。
「強がってるんじゃないかと思ってさ。泣きたいなら側にいてやりたいと思った。…でも、違うならいい」
-強いな、お前。
悠眞は感心したように笑い、咲姫の身体を離そうとする。
そんな彼とは正反対に、咲姫は素早く両手を悠眞の背に回した。
自分に抱きつく咲姫に驚きながら、悠眞は彼女を受け止める。
如何に彼と言えど、なんの前触れもなくこんな事をされれば-動揺は隠せない。
「咲姫…?」
「…泣かないとしてくれない?」
「え?」
「泣かないと、悠眞は私を抱き締めてくれない?」
悠眞の胸に顔を埋め、咲姫は最大限の勇気を振り絞って問う。
「泣かないけど。泣かないから。もうちょっとだけでいいから-」
-だからあと少しだけ、こうしていて欲しい。
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