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おじさまと咲姫
第8章 抱擁
「…俺は、しないよ」
昴の小さな。
けれど固い決意を含んだ呟きに、咲姫は顔をそっと、上げた。
次の瞬間。
それが合図だったかのように、繋いだままだった手を離され-その胸に抱き締められた。
予想もしていなかった展開に、咲姫の瞳孔は見開かれる。
心臓が早鐘のように鳴り出す。
「…ほうじょう、せんぱい」
昴の腕の中。
咲姫は抑揚のない声音で、ひとこと発するのがやっとだった。
「円城寺を、そんな風に哀しませたりしない。そんな風に泣かせたりなんか…俺は絶対しない」
昴の絞り出す言葉が、耳元すぐ側でする。
波打つ胸の音は激しさを増す。
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