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おじさまと咲姫
第31章 限界
それは本心だった。
自分が他人から常に見られる対象ではないと思っているから-少しでも注視されてる事には正直、気付きもしなかった。
それに、初めての水着姿にどきどきしてしまったのは、自分も同じだった。
まあそれは彼に限らずだけど-男子のそういう姿を見る機会など、普通はまずない。
慣れるまでは目を逸らしがちだったのは-仕方がなかった。
言い訳がましくそんな事を考えていれば、昴が突如尋ねてきた。
「これ…円城寺が配ってくれてたやつだよね?」
宜しければ、どうぞ-そう言いながら、さっき目の前に置いて行ってくれた。
お菓子-もしかして手作りなのかと、胸が高鳴った。
そう言えば以前、お菓子作りが得意だと聞いてた事を思い出した。
本当はすぐさま手を伸ばしたかったけど、後輩たちの手前それもなんとなく憚られ-そうこうしてるうちに食べるタイミングを失っていた。
「ひとつ、もらってもいいかな?」
遠慮がちに断られ、咲姫は弾かれたように頷いた。
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