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おじさまと咲姫
第31章 限界
夜の闇に溶ける彼女の香りが。
海風になびく後れ毛が。
延々続く波の音が。
思考を麻痺させた。
「今日はもう…円城寺を我慢出来ない」
はっきりと耳元で囁かれ、咲姫は瞳孔を開いた。
激しく動揺していれば、密着するように抱かれていた身体を静かに離される。
「我慢出来ないって…わたし?」
昴を見つめながら、咲姫は訊いた。
その問いに、彼は苦笑した。
本気で理解していない彼女に少し腹が立ち。
そしてそれ以上に、そういう彼女が可愛くて仕方がなかった。
「もうしないよ、円城寺-」
-我慢を。
昴の指先が、咲姫の頬に触れた。







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