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おじさまと咲姫
第32章 意表
「じゃあ喜べよ。褒めてやったんだから」
これまた随分上からだったが、やっぱり不快ではなかった。
「…いつもそうやって褒めてくれればいいのに」
素直になれなくて、咲姫はつっけんどんに答える。
「いつも意地悪なんかじゃなく。いつもそうやって褒めてくれれば凄く嬉しいのに」
恨めしく吐き出せば、呆れたように返される。
「馬鹿。毎回毎回そんな褒めまくってどーする。それが当たり前になったら、有難みがまるでなくなるだろうが。忘れた頃にたまに言うぐらいがちょうどいいんだよ」
確かにそれは一理あるかも-心の中で思ったが、実際口にするのは控えておく。
だってとっても癪だから。
「言われた通り、冷蔵庫にあった野菜はもう全部切り終わって、じゃがいもも下茹で完了したのに。あとはメインのお肉待ちなんだけど」
-おばちゃん遅いなあ。
身に付けてた借り物の薄いピンクのエプロンの裾を弄りつつ、わざと大きめの声で言えば、悠眞もそれに同調してくる。
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