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おじさまと咲姫
第34章 払拭
テーブルの下でそろそろと伸ばした足を、遠慮なく振り上げたのだが-そこにあるはずの彼の足がない。
空振りした咲姫は椅子の上でバランスを欠き、テーブルに身体をぶつけ、食器の音を鳴らしてしまう。
慌てて体勢を立て直す咲姫を、愛と悠聖は不審そうに見遣る。
急いで悠眞を見れば-勝ち誇ったような笑みを返された。
こうされるのを見越して、足を予め椅子の下に移動していたに違いなく-咲姫は悔しさと恥ずかしさに、顔を赤く染めた。
さっきは不意打ち食らったけど-前置きして、悠眞は続けた。
「同じ手は二度と通用しない」
断言され-悔しいけど、何も言い返せない。
悠眞は昨夜と同じ微笑みで咲姫を操ってゆく。
「俺をどうこうしようなんて、十年早い」
-言ったろ?
その言葉に、咲姫の頬は忽ち熱を帯びる。
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