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おじさまと咲姫
第36章 機会
「そしたら、もっと俺の事を知ってもらえる。円城寺に好きになってもらえる確率も、ずっと高くなる」
真摯な訴えに-しかし、咲姫はすぐには返事が出来ない。
「『今日で終わりにして欲しい』っていつか円城寺に言われたけど、あれは取り消して欲しい。チャンスが欲しい。次のデートの約束がしたい」
-約束してくれるまで、円城寺を帰さない。
いつもよりも積極的に話を進めてくる昴に、咲姫は明らかに押され気味だった。
「帰さないって…っ」
後が続かない。
あたふたする咲姫を見、昴は口角を上げた。
「それとも帰りたくないとか思ってたりする?」
「そんな事思ってるわけないじゃないですかっ。帰りますって…ほら、それこそ約束の一時間になろうとしてるし!」
いつしかすっかり、彼のペースだった。
テーブルの上に置きっぱなしになっていたスマートフォンで時間を確認し、咲姫は真っ赤な顔で怒鳴る。
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