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おじさまと咲姫
第41章 吃驚
「…ほんとになんでもない事なんです」
勿体ぶってるとかえって何かを思われるかも-さらりと流した方がいいと考え直す。
「雨が降った日の大学からの帰り、悠眞に会ったんです。その夜は近くでライブがあったらしくて、電車の中はほぼ満員で。吊革に掴まりたかったのに、それが難しくって。そうこうしてるうちに電車は動き出したんですけど…ちょっと激しく揺れた拍子に私、転びそうになってしまって」
-私の脚、咄嗟の事にはすぐに反応出来ない時があるから。
自嘲気味に笑って見せたが-昴は同調しなかった。
寧ろ心配そうにされ、咲姫は慌てる。
「あ、転んでないです!転びそうにはなったけど、それを助けてくれたのが悠眞なんです」
「ユウマさんが?」
「はい。その時悠眞は私の背後に立ってたんですけど…ほんとに偶然ですよ?後ろから、その…腰を引き寄せてもらって転ばずに済んだんです」
「腰…」
「…はい。だから、その時の事を悠眞は言ったんです。『折れそうだった』って」
恐々と、咲姫は経緯を説明した。
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