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おじさまと咲姫
第43章 最初
「なんだって思った。でもそりゃそうだよな。だって俺と円城寺はなんでもないんだから。着飾って来る理由がない。そもそも『デート』でもない。なのに『俺の為』とかってさ…自分が最高に恥ずかしくって、表面には出さないようにしてたけど-」
-滅茶苦茶落ち込んだ。
微かな笑いを向けられて、咲姫は居たたまれなくなる。
『気合入ってるとか思われたらどうしよう』-心配しながら待ち合わせ場所まで向かった自分が、確かにいた。
咲姫の気まずそうな様子に昴は逡巡したが-結局次を発した。
「でもその感情は、どうにか自分の中にしまった。俺にとっては傷付く出来事に違いなかったけど、円城寺にはなんでもない事で。円城寺と過ごす楽しいはずの一日を、たったの一言で壊わしてしまいたくなかったから。我慢して丸く収まるならそれでいいって。…けどあの日は何故か、ユウマさんの話が事あるごとに出てきただろ?俺も訊かなきゃいんだろうけど、やっぱ気になってさ」
-そして、思った通りに後悔。
昴は苦く笑うしかない。
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