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おじさまと咲姫
第43章 最初
「でも、焦ったってしょうがない。ゆっくりでいい。本心からそう思ってた。それで近い日のいつか、円城寺が『うん』って言ってくれるならって。…けどこの間は、どうしても我慢出来くなってしまった」
-ごめん。
真正面から謝罪され、咲姫は動揺してしまう。
思わず『大丈夫』と返事をしそうになり-踏み止まる。
あの日はそれ以外に言いようがなく『大丈夫』と答えてしまったけど。
今も申し訳なさに項垂れる彼を目の前にして、慌てて許してしまいそうになったけれど。
咲姫が考えあぐねていれば、昴が続けて口を開いた。
「待ちに待った映画の日、いつもと違う円城寺の姿を見せられて…もうどきどきするどころじゃなかった。きっと、円城寺には呆れられてしまうだろうけど…俺と会うから、俺の為に可愛くして来てくれたのかなって、内心自惚れもしてた。でも-」
-実際は、ユウマさんに言われたからなんだもんな。
僅かな-でも確かな棘が付け足された。
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